正月は下田だった。
元旦朝、毎年初詣に行く新井薬師寺に行った。
お参りをし、おみくじを引いたら“凶“だった。
家族が笑う。
過去、3度続けて凶を引いたのを覚えているからだ。
引き直しはしないで下田へ向かった。
途中、浄蓮の滝でひと休み。
渓流で子供が釣りをやっている。
店でイワナを放しているという事で、結構釣れているが
釣り上げてはバレる、釣り上げてはバレるでなかなかゲットできない。
「なにやってるんだよ……。」
幼いころ、魚釣りはもちろん、川をせき止めてのドジョウ取り、
箱メガネを使って石の間のカジカを突いていた。
泳ぎは当然最上川だし、向こう岸まで行けるかが勝負だった。
去年、オリンピックが東京に決まって、これから数年色々なことで賑わうだろう。
地方の衰退、疲弊が言われている。
どうしても私にはピントがズレていると思えてならない。
都市は完全に金属疲労を起こしている。
今語るべきことは、都市についてである。
地方から学ぶ事、経済の発展と引き換えに失っていく大切な事を、
本当に考えなくてはならない。
原発を作ったのも都市じゃないか。
100%経済性からしか発想できない世の中が、都市の心の空洞化を招き、
考えられない人間性の喪失を生んでいる。
東北の復興まで、経済、経済……で進んでいる。
いや、進んでいない。
たぶん都市が地方を食いつぶすんだろう。
“地方に学ぶ”が本当の姿と思えてしょうがない。
“リトル丹野”が言う。
「しゃべるな。書くな。」
どんな一年になるのかな。
凶の文面は、大雑把にいうと
“仕事をするな”
という事だったように思う。
:tanno: